僕の恋人
美咲は子供の頃から体が弱かったようで、今でもちょっとした事で熱を出して寝込んでしまう。


最近では外へ出て太陽の光を浴びるだけでも立ちくらみを起こすほどで、ほとんどをこのアパートの中で過ごしていた。


正直、美咲の命がどこまで続いてくれるのか、ボクは知らない。


美咲自身も、なにも言わない。


きっとかかりつけのお医者さんからなにか言われているのだと思うけれど、美咲が自分から話さないのなら、無理に聞きだすつもりはなかった。


ボクはトイレをすませるとすぐにキッチンに立った。


狭いワンフロアのアパートなので、キッチンから振り返るとベッドの上の美咲が見える。


「今日の朝ご飯はスクランブルエッグとウインナー炒めだよ」
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