僕の恋人
「どうした?」


「いいのかなって」


美咲の言葉の意味が一瞬理解できなかった。


ボクにとってはただ嬉しい出来事でも、美咲にとっては何か不安があるのかもしれない。


「いいに決まってるだろ、ボクたちの愛の結晶だ」


「でも、あたし……」


そこまで言い、言葉を切る美咲。


その瞳がうっすらと涙で滲んでいるのを見て、ボクは胸が締め付けられた。


美咲は自分の体の事を言っているのだ。
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