深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~


なんで…どうして?


力が入らず
よろよろと地面に倒れ伏す。


智弘がなにか叫びながら
私の元へ駆け寄って
私の血塗れの体を抱き上げてくれる。


声が出ない。
最初は鮮明だった智弘の
涙で歪んだ顔も


だんだんと霞んで見えなくなっていく。


どこか遠くで
地よりも低い声が聞こえる。


『ツギハ……オマエダ……』


魔莉乃の声でも媛乃の声でもない
低い怨みのこもった声。


智弘が私を支えてくれるけど
その姿も私はもう見えない。


声も、聞こえない。


これが、「死」なんだと
直感でわかった。


ごめん、皆
ごめん、智弘。


私はいったい何を間違えたの?


疑問はたくさんあった。


でももう私の命は終わりを迎えようと
していたから


なにひとつわからない。


瞼がゆっくりと落ちる。


視界が真っ暗になり
すべての感覚がなくなりかけていく。


ただ、智弘の腕の感触だけ
温かかった。


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