見えない・・心

···全て話す


淕からのお別れのメールが来てから
かすみちゃんに手伝ってもらい
パパと佑斗君に全てを話した。

佑斗君は、
「また?あつか?高城 淕」
と、怒っていたが
パパは、
「かすみの話を聞いても
彼が本気で、榎音との事を
考えていたのは、わかる。
榎音の優しさが仇になってしまったんだな。
榎音の軽率さにも原因がある。
榎音は、理人君と付き合う
つもりなのか?」
「ううん。
淕と親子でなくても
私は、理人とは付き合うことはない。
もう、恋は良いよ。
私は、きっと、また人を傷つける
そんな感じがするの。」
と、言うと。
かすみちゃんと佑斗君は、
「「そんなことはない!!」」
と、言ってくれたが

私は、すべてを話せて
ホッとしていた。

「パパ、ごめんね。
パパに挨拶する約束していたのに。」
「いや、いいんだ。
パパは、なにも言うことはない。」
と、言ってくれた。

それから、半年たったとき
仕事中にお腹が痛くなり
意識をなくした。

次に目を覚ますと
パパとかすみちゃんと佑斗君がいた。
「パパっ、ごめんなさい。」
「覚えているか?」
「うん、なんとか、お腹の痛みが酷くて
痛いなぁ、と思っていたら
目の前が真っ暗になって」
「あのな、榎音・・」
「あっ、兄さん、私から」
と、かすみちゃん。

すると、かすみちゃんから
「榎音、あなた妊娠していたの。
気づいていた?」
と、言われて
首を横にふった。
「やはり、気づいていないと思った。
生理来てなかったでしょ。」
「うん、でも元から不純だし
仕事について、毎日バタバタしているし
淕と別れてストレスもあるのかと」
と、いいながら、そっとお腹に
触れる。
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