誰も知らない彼女
第5章

止められない連鎖


保健室で甲斐先生に由良が連続殺人事件の犯人なのではないかと話した翌日。


この日も学校があるのだが、昨夜から熱にうなされて風邪をひいてしまったため、学校に休むことを家の固定電話で連絡した。


学校を休むと伝えている間にもたん混じりの咳が何回も出て、しゃべるだけで喉が痛くて呼吸が苦しくなる。


昨日学校から帰ってくるまではなんともなかったのに、なんで風邪なんかひいちゃったんだろう。


頭がボーッとするし、ときどきめまいがする。


保健室に連れていかれる前にネネが言っていたことは本当だったのかもしれない。


なんて思いながら、出かける前にお母さんが額に貼ってくれた冷却シートにそっと手を当てる。


ひんやりとして気持ちいい。


だけど、季節が冬であるということもあってか、すぐに手を引っ込めた。


寒い……。


昨日まで無理するんじゃなかった。


無理して学校に行くべきじゃなかったな。


昨日までお母さんに『顔色悪いみたいだから学校に無理して行くのはやめて、少し休んだら?』なんて言われたけど、私は行かないほうがもっと嫌だと思って重たい体を引きずってでも学校に行っていた。


それが凶と出てしまい、こんな結果になったのだろうか。


今さらながら昨日までの自分の行動を後悔する。


「はぁ……」
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