あずゆづ。

「ずるい!私も行く!」

「ゆうちゃん王子が行くなら私も~」


ゆうちゃんを取り巻く女子たちも、私たちの会話が聞こえていたのだろう、その場にいたほとんどが我先にと手を挙げる。

さすが、黒の王子だ。


「よし、じゃあ放課後になったらみんなで行っちゃおっか~!」


元気よく「おーっ」と、手を挙げたひよりを私は思いっきり睨む。


「ちょっとバカひより!! 何考えてんの!!!?」


小声でそう言うと。


「バカにバカって言われたくない。 ま、たまには優樹くんじゃなくて王子との時間を過ごすのもアリかなって」


「うるさいバカっ。 そんな勝手な……」


あたふたしている私をよそに、ひよりはゆうちゃんの方を見て話しかけた。


「王子。どこかいいお店しらない?」

「えーっと、甘いものだよね?」


待って、クレープ屋さんって話じゃなかったの!?

やっぱり、嘘なんだ!!

マシュマロで私をつったんだ!!!



「甘いものといったら……」




………………あ。


なんかこれ、まずくないですか……?


「俺、めちゃくちゃいいところ知ってるよ」


ゆうちゃんが笑顔でこちらを向いてそう言ってきたものだから。


「ね、梓ちゃん」


私はもう、笑うことしか出来なかった。

ひきつってようが、普段よりかわいくなかろうが、もうどうだっていい。


「……あ、はは……」


すごい

嫌な予感しかしないんですが……!!!!!!



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