運命は二人を


『熱はないの?咳は?』

『今夜一晩寝れば大丈夫だ。いつもそうだから。』

『明日も仕事?』

『先方がアメリカから明日着くんだ。だから明日会うことになって…。来週は休めるから、海に行こうな。』

『わかった。無理しないでね。体は大事にしないと。』

私は、心配しながら電話を終えた。

明日も、連絡して様子を聞いてみよう。

私たちは、いつも外で会うから、まだ和泉の家に行った事がない。

確か実家の近くのマンションに一人で住んでいるらしい。

具合が悪いなら一人では大変だろうと思う。

もし、明日の様子で家を訪ねた方がいいかな。

今の私は、自分の将来よりも、和泉の事ばかりが頭の中を占めていることに気づいていた。

そして、和泉と一緒に暮らす将来の生活へ、意識が向いていることもわかっていた。
< 72 / 86 >

この作品をシェア

pagetop