運命は二人を

「それって…」

「美也と、結婚したい。ずっと俺の隣にいて欲しい。美也は?」

「私も、和泉の側にいたい。」

「ありがとう。じゃあ、結婚に向けて話を進めるよ。これから益々忙しくなるなあ。」

「また、無理しないでよ。私ができることは、手伝いたい。…私ね、ピアニストになるより、あなたと家庭を築いていきたい。」

「いいのか?もし、俺の為にピアニストを諦めるのはやめてほしいな。両立できるなら…」

「ううん、私ね、自分が起用じゃないことをわかっていたの。だから、今一番に自分がやりたいことを選んだの。『二頭追うもの一頭も得られず』と言うじゃない。」

「わかった。でも、自分のしたいことを我慢しないでほしい。俺も協力できることはするつもりだから、遠慮しないで言うんだぞ。」

和泉は、ゆっくりと顔を近づけて、美也の唇に口づけた。
優しい柔らかさを感じて、二人は、いつまでも幸せを味わっていた。

こうして、俺たちは、結婚へ向けて歩み出した。
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