やりなおしちゃってもいいんですか?
「あら~彩ちゃんね。さあ~どうぞ入って」

「・・・お邪魔します」

笑顔で迎え入れる母と不服そうな表情でぎこちなく挨拶をする彩ちゃんの

テンションの差に不安を覚えたが

ここに泊まる事を承諾しただけでもよしとしよう。

っていうかここまで来るのにどれだけ時間がかかったことか・・・

彩ちゃんが家に上がった事を確認すると浩二と顔を見合わせホッとした。

そして私達も靴を脱ごうとすると母が待ったをかける。

「悪いけど浩二君は帰ってくれる?」

浩二が戸惑いの表情を見せ動きを止めると母は話を続ける。

「浩二君がいるとあの子も感情的になりそうだから今日は浩二君抜きの
女3人で話をしようと思ってるの」

母の言葉に浩二は納得した。

「僕の事でおかあさんにご迷惑をおかけしてすみません。
お言葉に甘えさせていただきます。彩のこと・・・よろしくお願いします」

浩二は姿勢を正し頭を下げる。

「まかせなさい。あっ!そうそう、浩二君悪いけど彩さんのご両親が心配していると
思うから連絡して上げてくれないかしら。大家が預かってるって言えばご両親も
安心するだろうし・・・もし心配ならうちの電話番号を教えても構わないわ」

「わかりました。僕の方から連絡します。それでは・・・失礼します」

浩二は軽く頭を下げると私に視線を向けた。

私が小さく頷くと浩二も小さく頷き帰って行った。
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