やりなおしちゃってもいいんですか?
2

灯台もと暗し?

浩二が家に来た翌朝。

私はいつもより1時間も早く起きた。

理由は浩二に寝起きとすっぴんを見られたくないのと、

出来れば顔を合わす回数を最小限にとどめたいからだ。

だから早めに出勤しようと思って早起きした。

勿論昨夜、起きて家を出るまでの行動を何度も頭の中でシュミレーションした。

私は音を立てずにゆっくりと階段をおりると洗面所に駆け込んだ。

ここまでは計画通り。だけど油断はできない。

私はまわりを警戒しながらも歯磨きを始めたが・・・途中で洗面所の戸が開いた。

「!!!んっ!」

入ってきたのはもちろん浩二。

髪の毛はボサボサのパジャマ姿。

そして歯磨き途中のため唇に歯磨き粉が付着している

こんな一番見られたくない姿を見られた私は目を見開き絶句した。

だが、浩二はこんな酷い姿の私を見ても表情ひとつ変えず、

他人行儀に軽く会釈をすると私の横に並び歯磨きを始めた。

私はタオルで口を拭きながらちらりと鏡越しに浩二を見る。

すると口元が緩んでいるのがわかった。

げっ!やっぱり私の姿見て笑ってんじゃん。ここから逃げたい。

でも、まだ顔を洗ってないから出られない。こうなったら仕方ない。

昨夜のシュミレーション通りここはダッシュで洗顔するしかない。

私は泡立てネットを使って急いで泡立てるとそれをまんべんなく顔につけて顔を洗った。
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