やりなおしちゃってもいいんですか?

ふ、復縁?!

・・・で、結局押しに負けた私が渋々ついて行った先は居酒屋。

付き合っていた頃、何度か一緒にご飯を食べに行く機会はあったものの

ファストフード店やファミレス、ショッピングモールのフードコートがほとんどで

お酒を飲む場でしかも夜というのは言うまでもないが初めて。

お互いにお酒を飲めると言うことも、もちろん初めて知るのだった。

「お疲れ様です」

「お疲れ~」

私はぎこちなく浩二はいつも一緒に飲んでいるかのように

砕けた感じで乾杯をした。

別れたとき、まさか再会してお酒を一緒に飲む日が来るなんて思いもしなかった。

だって私の知っている浩二はスポーツ飲料をごくごくと一気に飲んで

最後まで飲み干した後に、は~っと大きく息を吐き満足そうにした姿で・・・

でも私はその時の浩二の笑顔が好きだったりしたんだよね~~

それが大人になって飲むものがスポーツ飲料からビールに変わったが

飲む姿や表情はあの頃と変わってなくて

不覚にも胸が高鳴ってしまった?!

いやいや、これはなんかの間違いよと心の中で完全否定する。

「なに?俺の顔になんかついてる?」

浩二は口元に手を当てる。

「ううん。何にも・・・飲み方が変わってなくて成長してないんだな~って
思っただけ」

何だか馬鹿正直に話すのはしゃくで嫌みっぽい言い方をしてしまう。

成長していないのは私も同じなのに・・・
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