HARUKA~始~
プロローグ
私が小さい頃。


私は私より背の小さい子にこう言われた。





『晴香は晴香だよ。晴香はキミだけ。広い広い宇宙にたった1人』







私は私しかいない。


私の代わりはいない。





なのに人間はどうして自分の存在意義を時に見失ってしまうのだろう。


自分しかいないのだから、それだけで特別な存在だと言えるのに…



自分の顔は鏡を通してしか見えない。


自分って本当は見えないんだ。


見えないのに、自分の人生だからって理由で、自分1人にその責任を丸投げされて好きにやってくれだなんて、私には理解出来ない。


産まれた時からの宿命だとしても。




見失って道を踏み外したら人は笑う。
馬鹿にする。


でも、人生って難しいんだから仕方ないんじゃないのかな。


こんな考え方、間違ってる?


道理に従って生きるだけで良い、って?



分からずに堂々巡り。

いつもいつも私は無限ループから抜け出せない。

閉じこめられたまま。
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