結婚適齢期症候群
ショウヘイの薄くて柔らかい唇に視線を落とす。

今、私の正直な気持ち。

私は・・・。

「・・・あなたに抱かれたい。」

ショウヘイの口の端がくっと上がった。

「それが、今のお前の気持ち?」

そう言われたら急に恥ずかしくなって思わず目を逸らした。

「あなたが言えって言ったから言ったのよ。」

ショウヘイは優しい目で笑った。

その顔好き。

「それでいいんだ。」

「馬鹿にしてない?」

ショウヘイの腕をゆっくりとなぞる。

私の大好きな腕。

「今の積み重ねが未来に繋がるんだ。先ばっか心配してたって、今がしっかり存在しなきゃ意味がない。」

「あなたもたまには真っ当なこと言うのね。」

そう言いながら、ずっとショウヘイのうるんだ瞳を見つめた。

もっと強く抱かれたい。

「せっかく勇気だして今の自分の気持ち言ったのに。」

じれったくなって思わず口に出てしまった。

一言、自分の思いをまっすぐに伝えたら、その続きは何のためらいもなく出てくる。

不思議だった。こんな自分が。

「今のチサの気持ち、もちろん先に繋げてやるさ。」

ショウヘイは私の髪をゆっくりと撫でながら、唇を重ねた。

そして、強く抱きしめてくれた。

なんて、居心地がいいんだろう。彼のキスも彼の抱擁も。

ずっと、こうしていたい。

このままずっと。

彼の腕にキスをした。

もう迷子じゃない。

どんな結果になったって、今があるから。

今を信じて、ショウヘイを信じてみよう。

これでいいよね?トモエ。

彼の腕の中で、初めて眠った。とても穏やかな気持ちで。







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