あずゆづ。2
当たり前なこと

「ね、ゆづくん」

「あ?」


放課後。

私はゆづくんと手を繋いで、帰路についていました。

しかしその道は、私の家とは全くの逆方向。


「わ、私の家こっちじゃないんだけど…」

「それがどーした」

「い、や…もう心配しなくてもあの人なら大丈夫かなって…」


泣き崩れるあの女の人の姿を見て。

どこか安心していた自分がいた。

あの場でわかり合えたような気がして、

もうこんなことはやめてくれるって思えた。


私がそう説明すると。


「あああ?」


鬼の形相でこちらをにらんでくるゆづくん。

…どうやら彼にはそうは思えないようです。



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