あずゆづ。2
振り回し
ガラリと、いつも通り荒々しく足で教室のドアを開けたゆづくん。


「お、ゆづにあずちゃん!!はよー!!」


私たちの姿を見るやいなや、
元気に挨拶をしてくれたのは岡本 秋くん。

ゆづくんのお友達です。


「いやあ、お二人さん相変わらず仲良しだねえ」


そう言って少し憎らしげに横目で話しかけてきたのは雫石 ひより。

黒髪のロングで、さらさらストテートヘアの超美人さん。

私の親友であります。


「えへへ~、ラブラブなんですよ」


ひよりの言葉に照れた私は、

くねくねと体をよじらせて笑った。


「バカなこと言ってねえでさっさと自分の席に行けカス」

「かす……」


おかしいな

さっきまで名前で呼んでくれていたはずなのに。


しょぼんと肩を落として、ゆづくんに言われたとおり自分の席について鞄を置いたとき。



< 18 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop