あずゆづ。2
守る
***

その日の放課後。

ゆづくんはまた、私を置いて教室を出ていった。



『……なら待ってろ』



保健室での私の問に対して

下を向いて、切なげにそう呟いたゆづくん。


私は自分の席で頬杖をついて

何も書かれていない机をぼーっと見つめていた。


「梓ちゃん、大丈夫?」

「あず~帰らないの?」


隣の席のゆうちゃんやひよりが声をかけてくる。


「気になりすぎて大丈夫じゃないけど帰らない」


二人にはもうとっくに状況を話している。


「何してんだアイツは」


遠くを見つめる私を見たゆうちゃんは

イラだったのか低い声でそう呟いた。



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