好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
何をするのか問えば、紅亜はにっこり微笑んだ。
「そういう自分じゃ解決出来ないどうしよもないときはね、こうするといいのよ」
と、筆を半紙に置いた。
「………」
真紅は半ば呆然としながらそれを見ていた。
「――こんなとこかしらね」
満足げに呟いた紅亜が書いた文字は――
『また逢えた』
――だった。
「あの、ママ……私逢えてないよ?」
逢える方法がわからなくて途方に暮れていたのに……。