好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
+++
「……ママってすごいなあ」
それから更に半紙を増やしてみた。
五枚ほど書いたところで、何だか満足――した。
心が満たされた、と言うか……安心したのだ。
「……もう、大丈夫」
言葉一つで信じることが、出来る。
……真紅は薄々考えていたことがある。母の恋人とやらのことだ。
「本当に、いるのかな……?」
真紅を独りにしている理由。
メニュー