好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
真紅は、黒藤が顔をしかめるのを初めて見た。
しかし紅亜は気にしていない。
「なんで?」
「無涯は消えました。それだけです」
「でも、紅緒はもうすぐ目覚めるわ」
「………」
紅亜が黒藤を黙らせた。その様に、架が一番驚いていた。
「若君を黙らせるって……」
もっと言うなら、架は愕然としている。
紅亜は何を思ってか、唐突に言った。
「黒ちゃん、一つ教えておくわね。紅緒は目が覚めても、当主に返り咲きはしないわ」