好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
そもそも属する国が違うということもあるようだが、真紅に流れている血が退鬼師として有効なものかも判然としないということか。
顔をあげた真紅を制するように、白桜は口を開いた。
「だからといって、すぐに真紅の血を調べるために妖異と接触させるようなことは出来ない。
まさか、鬼の前に連れて行くなんてもってのほかだ。
桜木であると同時に、真紅は小路の始祖の転生――妖異に狙われる身であると忘れないように」
厳しく言われて、真紅は顎を引いた。
そうだった。退鬼の血という方にばかり気をとられていたが、昨日黒藤が逢いにきた理由は、真紅が小路にとって重要な人物――始祖の転生だからなのだ。