好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】

 
落ち着け、と言ってこういう場合で落ち着いてくれたためしがあるだろうか。
 

いや、ねーな。


「真紅の血は甘い香りで美味しかった」


「はあ⁉」
 

ものすごく危ない人を見る目で見られた。


その反応を見てから、またもやそりゃそうだと思う。


いきなり血の話って。吸血鬼だとは言ったけどさ。


「真―紅。憶えてないか? お前が最期まで一緒にいてくれるなら血をやるって言われたんだけど」


「そんな頭悪いこと言う奴がいるか!」

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