好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


「……怒ってないの?」


「旦那様に? 別にないわ。今更っていうほどの年数経っちゃったし、わたしに真紅ちゃんをくれたしね」


「――じゃあ、ママがすきだった人って、ほんとに今までいないの?」


「んー、それはヒミツかな?」


「……私には言わせたくせに」


「それは年の功よ。誘導尋問」
 

にっこりと言われた。悔しい。


「ってかママって、影小路のおうちから出てる割には色々知ってるよね? 黒藤さんとか白ちゃんとか、桜城くんのことも」

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