好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「……それはほんとーに、秘密なんだよね?」
「絶対ね。御門の家の中でも、知ってる人少ないらしいから。でも……真紅ちゃん、どうしてわかったの?」
「なんとなく」
真紅の返答に、紅緒は大きく瞬いた。
正直真紅には、それ以外の答えはなかった。
最初から、白桜は女の子だと思っていたからだ。
架に『白桜さん男だよ?』と言われて、『女の子でしょ?』と返したあとに、『あ、制服が男子だ』と気づいたくらいだ。
「……やっぱり影小路の子なのねえ」
呟かれて、真紅は「うん」と肯きたくなった。