好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「天音がいるからな」
「……今度こそ首を掻っ切られる気しかしない……」
白桜の忠告に、黒藤は顔色を悪くさせた。
天音は白桜の式として、護衛のために百合緋の傍にいることが多い。
今は無炎が隠形して白桜の傍にいるので天音が今のやり取りを知ることはないが、カンペキに白桜に下心のある黒藤は最重要警戒対象なのだろう。
天音は、白桜の母の頃より仕えている。
月御門に、ではなく、白桜の母・白桃個人に。
だが天音が白桃の式であったことはなく、使役に下ったのは白桜が初めてだった。