好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
(………)
何で自分は眠ってしまったのだろう。
ちゃんと起きて、出来事が夢である可能性もないと思える頭だったのなら、総てを信じられたかもしれないのに。
血、が、
あなたをもとめている。
あの、こっ恥ずかしいことを平気で言ってしまう――
違う。
あなたの息が、私の血を――
「……」
胸を衝く衝動に耐えられなくなり、窓から身を乗り出した。
ここは二階。下は植え込みになっているけれど――
「あ、やっぱ見た」