好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


「なにそれ! 交際ゼロ日婚ってやつっ?」


「あ、いやすぐに結婚するわけじゃないよ? 影小路に入ってやることとか、決めることとかたくさんあって、それが片ついたらって言われてるから……」


「で、でも、プロポーズされてるよね? それ」
 

海雨はかぶりつきの勢いで真紅の腕を摑む。


「真紅が自分の道を見つけたら、ってくらいかな」


「黎⁉」


「ごめん、真紅。真紅のとこに行くって言うのを、黒藤と月御門だけじゃ抑えきれなくて、結局俺が案内を……」


「真紅の親友に挨拶することの何が悪いというのっ」
 

扉を開けた黎を押し退けて入って来たのは、叔母(しゅくぼ)だった。


ついでに黎が叱責されている。


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