好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
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「桜城くん? 別に来なくてもいいけど」
「だからすきだよ、海雨(みう)」
放課後、真紅は病院にいた。
入院している幼馴染に逢うためだ。
梨見海雨(なしみ みう)。
真紅の幼稚園からの友達だ。
海雨は今、ドナーを待つ身。
元々身体が弱く、高校に入学しても入退院を繰り返していた。
薬治療をしているが、根本解決するなら器官を取り換えるしかない。
――真紅はその、適合者だった。