捨てられた町
それほどまで、僕にとっての現実世界は地獄だったのだ。


カエルはずっと僕の事を見ていたから、その事をわかっているのだろう。


ゆっくりと歩く僕の歩調に合わせてくれている。


僕が何か言えば返事をしてくれるが、それ以外の時は無言で歩き続けていた。


蛇女の山を通り過ぎると、すぐにひょうたん型の湖が現れる。


今日も沢山の物たちが持ち主の様子を見に、湖に集まってきていた。
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