捨てられた町
「俺たちは魂だ。だから物は食べない。だけど、食べると言う行為はできるし、味覚もある」


「さっき、お茶を飲んでたよね」


僕はカエルが熱いお茶に四苦八苦している所を思い出していた。


「あぁ。食べた物はちゃんと排泄されるしな。だけど無理に食べたり飲んだり眠ったりする必要はない。だから人間のように物を売買する必要もない」


「結構楽な町だね」


物を買わなくていいなら、お金だっていらない。


お金がいらないなら、働く必要がないのだ。


それならきっと勉強をする必要だってないはずだ。
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