Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完



「…村瀬?」



いち早くあたしの異常に気づいたのは、もちろん隣に座ってる西崎さん。



…そう。



西崎さんに寄りかかられただけで気を失ったあたしは、西崎さんに熱を測られただけでもかなりヤバイ状況に…



どうしよう……顔熱い…



手が震える…



背中にじっとりと変な汗をかいてる。



西崎さんのこと嫌いじゃないのに、これじゃあ変に誤解されちゃうかも…





「…ごめん村瀬」



そのとき西崎さんが事情を察したように露骨にあたしとの間合いを広げた。





やっぱり、誤解してる――





「あの! 違うんです! あたしその…」



西崎さんの目を見つめたら言葉を紡ぐ前に涙が出てきた。



「村瀬…」



「…違うんです」



嫌いとか、怖いとか、そういうんじゃなくて…



「あたしはただ…免疫不足だから。何ひとつ…経験がないから。だから…」







――大好きな人に誤解されたくない…







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