Rの宣告?
久々の再開&幸せの日常?
こうして、春とわかれた。
よし、雪に謝りに行くのか…決意したものの勇気があまり出ない。それは雪の返事があまりにも普通すぎるせいなのかもしれない。
ピコンピコン
LINEの通知音がなる。
『夏ー?どのくらいに着く?』
『あと、10分程度』
『お、まじか。私少し遅れるかも、ごめん、』
『全然ええよー』

しばらくして雪がきた。
「遅れてごめんなー久々やな!元気やった?」
「ええよー。うん元気だよー」
「話って歩きながらでもええ感じ?」
「うん。大丈夫。むしろそっちの方が話しやすい。」
「そっか笑」
「っていうのもね…」
と私達は歩きながら話だした。
嫉妬していたこと。それでブロックしたこと、全て謝った。
「ってわけで謝りたかったん。だから呼び出した。」
「えー、そんな全然いいのに、てか、私も結局行けなかったんだよー。断念した。」
彼女の言葉に誘われてるだけいいじゃないか。と怒りが沸いたけどそれを表に出したらいままでの反省が意味無い。必死に隠し、そうなん?うち、なんも声かからんかったからさー知らんかったとほんの少しだけ嫌味を込めてでも自然に返答した。
こういう時天然だと助かる。
少なくとも雪は天然だから、変に勘ぐらないんだよね…正直羨ましい才能だと思うよ。
そこからはたわいない話をした。
恋バナだったり、大学はどうかだったり、
後は、少し話戻るけどほかの2人にも謝るの?的な話だったりね、正直自己満でしかないとは思うけど…やっぱり謝りたいと思ったら謝りたいじゃん?1歩がなかなか踏み出せないんやけどね…笑
「それにしても雪に会えて良かったわ」
「うん、うちも。夏元気そうで良かった」
「そろそろ帰る?」
「そうだねー。またいつか遊ぼう」
「うん、じゃあね」
こうして、雪とわかれた。
残すは二人。
私はLINEをまた開く。けど、6月詰まりすぎて会えないので、閉じた。来月でいいや。
そんな考えだ。

また、朝がやってきた。
「おはよー」
「おはよー、今日秋いる日か!」
「そうだよー。いつも金曜はいるやん!」
「だったね…最近忘れっぽくて笑」
「いつものことでしょw」
「バレたか。」
「ほぼ毎日一緒にいりゃわかる。」
「流石春☆」
「なっちゃんがバカなんでしょ」
「あー、秋らしいセリフ(笑)」
「…どうしたの?」
「へ?何が?」
「いや、いつもならひどーいって口癖のようにいうのに…なんか感じが違うから」
「やっぱ秋もそう思うよね?」
「うん。なっちゃんなんかあったの?」
「え、なんもないよ!!いつも通りやって(笑)」
流石二人鋭い。でもバレたら駄目…R…友達にバレてもバラしても死ぬの…?
するとどこからかRの声が聞こえた。
(死ぬぞ。)(ただ例外もある。)
たった二言だったが死ぬということだけは充分に分かった。
もちろん、秋や春にはRの声は聞こえない。
ふたりの呼びかけに反応がなかったのは心配そうな目で見つめてくる。
「…夏ちゃん無理してない?なんかいつもと違うよ…」
「大丈夫だって。心配しすぎだよ!」
「いつも変人なのに今日まとも…」
「待って、うち変人扱いなの(笑)」
「変人じゃん。」
「ひど(笑)てかまともになったならいいやん。」
「なっちゃんが正論言ってる…」
「私が正論いったら可笑しいのかよw」
「うん。」
「いや、否定して(笑)」
私達は笑いの渦に呑まれた。
なんて幸せなんだろう。

「ゴホンゴホン」
先生のわざとらしい咳払いが聞こえる。
そうか。もう講義始まってたのか…
周りの生徒の視線が集まる。
秋は何事もなかったかのように寝た。
講義中というのに強い(笑)
「やっちゃったね」と春は私に小声で言った後、そっぽを向いた。
私は肩をすくめたがこれも学生の幸せなんだなと実感すると注意されたことさえ嬉しく感じた。

それから何時間かして今日最後の講義だ。
この講義も秋や春がいる。
先生が来る前の会話をする。
「秋、春、今日残るー?」
「んー、充電による!!」
「おけ。」
「なっちゃん!」
「なに?」
「呼んだだけー(笑)」
「なんだそれ(笑)」
「へへ。」
「もー、秋は可愛いな(笑)」
「嬉しい。」
「そりゃよかった(笑)」
「そこイチャついてる2人さん、先生来たよ。」
「お、サンキュ。」
そして、会話を止める。最早恒例となっている。

私は講義に耳なんかくれず、手の指をみた。
豆は健在だった。その事に安堵する。
確かに邪魔なデキモノだ。でも、取ったり剥がれたりしたら死ぬ。秋や春に2度と会えない。やり残したことも沢山ある。
それが嫌だった。自分の人生にめちゃくちゃウンザリしていても死が近づくと生きたいと思うようになった。まぁ…手遅れなんだけど。なんであの時生きたいと思わなかったのか後悔ばかりが募る。
明日は7月だ。

Rと会ってから約1ヶ月が経った。
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