マリッジブルーの恋人たち

ーやはり運命なんだと思うー玲奈side

今日、やっと迎えることが出来た、一生忘れることが出来ない、幸せの1日。

 昨日は、緊張して眠れないかと思っていたが、ちゃっかり八時間睡眠をとり、朝、顔が浮腫むことなく、化粧のりもばっちりだった。

 普段のナチュラルメイクよりかなり塗りたくられ、つけまつげを盛られ、赤い口紅にグロスをつけられ、慣れない私は、話したり笑ったりしたら崩れるんじゃないかと思い、その時になって緊張してきた。

「玲奈?」

 神前式の準備を済ませた昴が、迎えにきた。

「白無垢も似合うな。」

 そういいながら照れ臭そうに笑う昴とともに家族が待つ場所へと向かった。

 新垣夫妻が来てくれたため、神前式での緊張も和らぎ、親族の集合写真ではリラックスしている姿が撮されていた。

 両家の親族と別れ、披露宴会場に向かい、私はひとめぼれした、あのドレスに包まれていた。

 大きなV字開きのバックスタイルで背中はざっくりと開いてフリルをふんだんに使用され、フリルの間からバラのモチーフが見え隠れする超ロングトレーンのドレス。

「すっごい綺麗~!でも、よく旦那が許したね!」

 前はベアトップでビーズをあしらった、バックスタイルに比べてシンプルな作りのものであるが、シンプルな分スタイルがいいのが一際目立っている。

 首にはバラの生花がネックレスに見立てて飾られている。素敵なドレスだ。

 
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