あの夏の続きを、今


どれくらい時間が経っただろうか。


ほんの一瞬の間だったような気もするし、とてつもなく長い時間がかかったような気もする。


気がつくと私は、自分の家のある丘の、麓のあたりまでやって来ていた。


全力で漕いでいた自転車を、少し止めてみる。


あまりにも激しく漕いだせいで、呼吸は今までにないほど荒ぶっていた。


さすがにもう、私を追いかけてくる人もいないし、私を呼ぶ声もしない。


葉を落とした桜並木の裸の枝の隙間から見上げる空は、相変わらずどんよりと曇っている。


私はぼんやりと空を見つめながら呼吸を整えていくうちに、ようやく我に返った。




────私………




────なんてことをしてしまったんだろう………




────なんてひどいことを言ってしまったんだろう…………




────もう二度と、近づかなくていいだなんて………



────もう二度と、親友じゃないだなんて…………



心にもないことを……



後悔の念が、波のように押し寄せてくる。


私は唇をぎゅっと噛み締める。



本当は、あんなこと思ってないのに……


ただ、感情の高ぶるのだけに任せて、あんなことを……
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