あの夏の続きを、今
「んー…このウインクしてるのはアズサちゃんにぴったりかな。このきりっとした顔のはユイちゃんって感じ。こっちの目がハートになってるのはエリカちゃんで、この満面の笑みのはモモちゃんっぽい!」
私がそう言いながら一つずつストラップを手に取っていくのを横目に見ながらハヅキが言う。
「なんか、トランペットパートって先輩も後輩もすごく仲良しで、楽しんでて、それぞれの個性が輝いてる感じがするよね、ここに並んでるシーサーみたいにさ。
一つ一つ表情も色も違うのに、すごく一体感があるように見えて、みんな楽しそうで。なんだか羨ましいな〜」
「そうかな?打楽器だって、それぞれの個性が輝いてると思うよー。演奏する楽器はみんな違うのに、心は一つになってるのがすごく後ろから伝わってくるよ」
「そう?うちら、ちゃんと一体感が持ててるか全然分かんないんだけど、そう思ってもらえてるなら良かったよ」
ハヅキはそう言って少し照れくさそうに頭を掻いてから、またシーサーのストラップを眺め出した。