[完]その口、利けなくしてやるよ。


ローファーに履き替えて校門を出た時だった……



「奏風ぁ」



ねちっとしたうっぜぇ男の声が前から聞こえた




見ると、校門にもたれかかってこっちを見ている奴がいた


「誰だ」



聞こえないように、コソっと聞いた



が、珍しく返答がなかった


それに違和感を感じ、隣にいる奏風の顔を見ると、


有り得ねぇくらいに眉間にしわを寄せ、睨んでいた



それは、一重で少し細めの目や、薄めで大きくも小さすぎもしない口、鼻筋の通った…いわゆるイケメンな顔が



歪んでたんだ……



その表情と、溢れ出す殺気に、声を出すことさえ出来なかった


< 38 / 350 >

この作品をシェア

pagetop