氷のヒカリ



翌日からは会社の暗殺者から逃げるような日々が続いた。



極力殺さず、気絶させるだけ。

彼女とそう約束した。



「向こうから来るばかりだね……」



彼女は俺の後ろでぼそっとつぶやいた。



「反撃するタイミングは全部お前に任せる」



そう言いながら、向かってくる暗殺者を倒していく。



「それにしても、ホントに強いね。氷室くん、才能があったのかな」



俺の背中から出てきて、道路上に横たわる十何人を眺めながら言った。



両親が殺されてからというもの、彼女はなにかを失ったように振る舞う。



「感心してる場合か。さっさと行くぞ」


「ねえ、氷室くん。ここが目的地だって、気付いてる?」


「当たり前だ。ここは俺が何度も出入りした場所だからな。で?侵入するんだろ?」



彼女は俺のほうを見て、悪巧みを思いついたかのように笑った。



「当然」



その言葉と同時に、建物の中に入った。


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