先輩、私の事見てくださいよ。





「…ごめん。俺、少しサボるからお前先教室戻れよ」






「うん、分かった」




本当、ごめん


明日にはちゃんと復活してるからさ


明日からまたふざけあおうよ


だから、今は今だけは何も言わないで








「ありがとう、海斗」










そう言って、私は屋上の扉を閉めた












┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



「っはぁ、あそこで告ってたらあいつの傷増やしちまうもんなぁ」




「ご愁傷さまぁ」



「っ!びびったぁ、凛々花、どこにいたんだよ!」




「え、最初っからここにいました。」




「…んだよ、ふられた俺を笑いにきやがったかこのやろう」




「んー?いーや?失恋同士黄昏るのもいいんじゃないかなって」




「は、お前誰に失恋したんだよ」



「あんた。」



「…は?」



「あぁ、最後まで気付かれないまま失恋とか私悲しーっ。…慰めて」



「…は、え?…」








この屋上で、一つの恋が始まったのを私が知るのはもう少し先のお話。


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