放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。



バレンタインなんていつも得意げに自慢してきて。

それが悔しいからあたしからは絶対にあげなかった。


『莉奈はくれねーの?』

『そんなにあれば十分でしょ!』

『・・・俺は10個チョコを貰うより、莉奈の1個のほうが欲しいの』

『・・・』


無邪気な笑顔にいつだってあたしは、負けてきた。






「健人・・・!」


そんな幼馴染が、泣いている。目を真っ赤に腫らしながら。
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