[実話]16歳〜私の生きた道〜
家族は、私のリストカットに気づいていた。
だけど、

――キチガイ――

それだけで終わらされた…。
人の目につく場所や親戚の集まりなどでは、リストカットの傷が見えないように長袖をきせられていた。
親戚の集まりでも私は、変な子だとか気味が悪いとか言われ続けた。
集まると大人たちはいつも跡継ぎの話ばかりしている。
祖父母が地主で、本家の娘である母親がひとりっ子だったことで、後を継いでいた。
現当主である母の娘が継ぐべきだとか、女は継ぐべきじゃないだとか、あれやこれやと意見を交えていた。

人の声を聞いたり視線を感じるたびに気持ち悪くなる。
気持ち悪い…早く楽になりたい…。

嫌なことがあったり、気持ち悪くなると、いつでも切れるように、ポケットにいつもカミソリを入れて持ち歩くようになった…。
ゆっくりと、私は、壊れていく…。

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