[実話]16歳〜私の生きた道〜
行為が終わると、健さんは、また優しく抱きしめてキスをしてくれた。
健さんの胸に耳を当てると静かで強い心臓の音が聞こえる…
目を閉じると、せっけんの香りがした。
あぁ…なんて心地いいんだろう。
どうして、この人は、こんなにも全てが優しいんだろう?
男ってこんなに優しい生き物だったっけ?
それとも今まで出会った男が間違いだったのかな?
まぁ…今はそんなこと、どうでもいい。
この幸せな気持ちが、ずっとずっと…続けばいいな。

「優……優…?」
目をあけると心配そうな顔をした健さんがいた。
あれ?どうしたのかな?
「…?」
「よかった。何回声かけても、起きなかったから、少し焦った。」
いつの間にか、眠ってしまったみたい…。
「ごめんなさい…。いつの間にか眠っちゃったみたいで…」
「いいよ。大丈夫。」
そう言いながら笑って、優の頭をぽんぽんと撫でた。
なぜか恥ずかしさがこみあげてきて、顔が真っ赤になった。
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