八天王とわたし
お兄ちゃんが慌てて私を抱きしめる
「あき、あきにい」
私はお兄ちゃんの腕のなかで暴れまくる
「私から、なにも奪わないで!」
「鈴、落ち着いて」
雷の雰囲気が変わり、周りは唖然とする
「秋兄ちゃん」
「そばにいるから、ね?」
その瞬間、体の奥から疲れがどっと出て気づけば暗闇のなかだった
目が覚めると目の前には真っ白な天井
「っ、お兄ちゃん!」
勢いよく上半身を起こすと、布団の周りには見覚えのある人たちがいた
「もう思い出さないと思ってたのに」
秋兄は、雷兄の実の兄
私は、そこに勝手に入り込んだ
ただの義理妹
「ホワイトカード」
思い出しただけでも虫唾が走る
「どうして…」
雷兄ちゃんまで、
あんなに、嫌がってたのに
まさか、
脅されてる?
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