オフィスに彼氏が二人います⁉︎
Two
信じられない展開になってしまった……。


結局、あの後は次々と料理が運ばれてきて、会話もそこそこに高級料理をいただいたっけ……味なんかほとんどわからなかったけど。


時山部長はどこまでも涼やかで、どこまでが本気なのかいまいちよくわからなかったけど、彼からの告白……は、真剣なものだったと思う。


三人で付き合うといっても、なにをどうするかとか話し合ったわけでもない。

あの夜も、二人に駅までは送ってもらったけど、私は二人と逆方向だからということで、先に来た電車に一人で乗った。その後のことは知らない。時山部長と久我くんは一緒に帰ったのだろうか。


この土日も、二人とは会っていないし、LINEもしていない。
だけどモヤモヤしっぱなしだ。

私、彼氏ができたんだよね。それも、あんなにイケメンでハイスペックな男性、二人。
……なんにもうれしくない!! 意味がわからない!


だったら二人に”ごめんなさい”と言えばいいだけだ。
ていうか、実際言ったの。帰り際に。
だけど。


『この関係を誰かに話すわけでもないんだし、誰も損はしないと思わない? もちろん、本当に君が辛かったらいつでもやめてくれて構わないけど、試す価値はあると思うな』


『ずっと想ってきた七香が、少しでも俺のことを恋愛対象として考えてくれるきっかけになるなら、俺はこの関係でも構わない』


二人にそう言われて……なんだか断れなくて~~!!


ていうか、三人で付き合うということは、もしかしてエッチも三人で……



「って、なに考えてるんだ私ィィィ!!」

生まれて初めて、ご近所迷惑なくらいに一人で絶叫してしまった。

ああ、明日、会社行きたくない……。
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