先生、もっと抱きしめて
「……だめ、先生」

「えっ?」

「優しくしないで」


きっと、もっと好きになっちゃうから。



「…………」


マツタクは、どうしていいかわからないような顔をして、その場に立っている。


先生の優しい気持ちを踏みにじってごめんなさい。

でも……


「私のこと、好きじゃないなら……優しくしないで……先生」


絞り出すように言って、両手で泣き顔を隠す。

我ながら面倒な生徒だ。
マツタクも呆れてることだろう。
「は?オレ?」ってなもんだろう。

私は、ごしごしと両手で目をこすり、鞄を持ってドアを出た。



恥ずかしい、恥ずかしい、ありえない。

何やってんの、私…!

走って階段を降りようとしたら、1年生の先生が下から上がってきた。
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