先生、もっと抱きしめて
涙をぬぐう俺の手を、小さな手が包んだ。
そして、可愛らしい唇が動く。


「先生、好き……」




あー……もう……。



なんでこんなにかわいいんだよ。

なんでこんなに、惑わせるんだ。





吸い寄せられるように唇を重ねて、耳にもキスをする。




驚く彼女を、覚悟を決めて、強く抱きしめた。
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