いじめっ子には愛の鎖を
「今井君……一発殴らせてくれ。
それで全てチャラにしてあげよう」
そう言って……
赤木さんは淳太君の頰を思いっきり殴った。
どかっと鈍い音がして、淳太君は頰を押さえて俯いていた。
拳を握りしめたまま、消えそうな声で赤木さんは言う。
「虚弱体質の僕には、このくらいしか力が出ない。
だけどこれは、僕の精一杯の一撃だ」
そして、赤木さんはあたしに向き直る。
「藤井さん、僕は君に幸せになって欲しい。
この男がこれ以上君を泣かせるようなら、遠慮なく僕に相談したまえ。
君に恋した時間は無駄だと思っていない」
そう言い残して踵を返し、一人で夜の街に消えていった。
あたしは突っ立ったまま、赤木さんの後ろ姿を眺めて泣いていた。
赤木さん、ごめんなさい。
そして、あたしなんかを好きになってくださって、ありがとうございます。