いじめっ子には愛の鎖を
3. いじめっ子にブチ切れる
「おはようございます」
いつものようにオフィスに入る。
今日は朝早いせいか、人がまばらだ。
いつものように自分の席に座り横を見る。
そこにはシンガポールのお土産が置かれた真新しい席が用意されていて……不覚にもドキンとしてしまった。
理想とかかけ離れた初体験だった。
だけど、あたしはとうとうそれを迎えてしまった。
強引で痛みしか記憶にないようや初体験だが、淳太君がぎゅっとしてくれたことも忘れない。
そして、もっともっと抱きしめて欲しいと思った。
淳太君の体温や香りを思い出すと、身体が再び熱を持つ。
あたしの身体は驚くほど素直だ。
だけど、心が許さない。
あんな初体験、認めないんだから!