いじめっ子には愛の鎖を






あたしは泣きそうな顔をしていたらしい。

淳太君はあたしを見て、



「何だそのしょげた顔は」



鼻で笑いながら言う。

聞かなくても分かるでしょ?

あたしが何を考えているかくらい。

淳太君は意地悪だから、あたしが苦しんでいる様子を見て楽しんでいるんだ。

あたしはこんなに辛いのに、淳太君は下僕に世話を焼かれ、美人元カノが際どい格好で隣に座って楽しいだけだ。





そんな淳太君は、またあたしを傷つける言葉を吐くと思った。

そして、あたしを奈落の底に突き落とすと思った。

もう、これ以上あたしを痛めつけないで欲しい。



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