キミとひみつの恋をして

secret.23



初めて自分用の携帯を持ったのはいつだったか。

小学校に上がってすぐだったかもしれない。

とにかく、両親の仕事の都合で持たされた。

登録してある番号は家族のものと、学校のみ。

でも、成長していくうちに、そこに友達の番号も入るようになって。

中学に入学した頃には、友達とメッセージを送り合うのが当たり前になっていた。

そして、いつか彼氏とラブラブな内容のメッセージを送り合うんだ、と夢見て……

それは今年、二ノ宮が叶えてくれた。

でも──


【肘、ヒビが入ってるらしい】


胸の痛くなるこのメッセージが入ることは、予想もしていなくて。

その後に続く文章に、私は泣きそうになった。


【全治1ヶ月で、そのあとはリハビリが2週間。】


ひと月半も、バスケができなくなるのだ。

幸いにも、ウインターカップには間に合うけれど、ブランクがどれだけ二ノ宮のプレイに現れるのか心配でたまらない。

けれど、ウインターカップの時、私はもう……二ノ宮の隣にはいないから。

私は遠くから見守り、祈り、信じるしかないのだ。


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