キミとひみつの恋をして


「桃原が困ってるなら、俺はいつでも駆けつけるよ」


思いやりある彼の発言は、うっかりしたら勘違いしてしまいそうなものだけど、気を引き締めるように唇をひき結んだ。

二ノ宮の後ろ姿を見つめながら、息を吐き出す。


『部内恋愛禁止』


……そう。

うちは、マネージャーと部員の交際は禁止されている。

この掟がある以上、私がどれだけ二ノ宮を好きでも、先は望めないのだ。


『それなら、マネージャーやめるのも手じゃない?』


私の恋心を知る親友の柑菜(かんな)に、以前そんなことを言われたけど、二ノ宮や部のみんなを支えたいと思う気持ちがあるからその決心はつかない。

ドリンクの準備をしながら再び息を吐き出して。

気持ちを切り替えるように口元に笑みを浮かべる。

今はとにかく、二ノ宮に彼女はできてなかったことを喜ぼう。

そんな自分勝手な幸福感を胸に、私は今日もバスケをする二ノ宮の姿をこっそりと見つめた。
















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