あの空を越えて逢いにいく。
逢坂くんは、
私を見て目を大きくさせる。




「お前、なんでここに」





だけどそこまで言いかけて
逢坂くんは、うっ、と顔をしかめてまた頭を抱える。






「ど、どうしたんですか?頭痛いんですか?」





その様子が
あまりにも痛そうで、苦しそうで

私は思わず逢坂くんに手を伸ばす。





「触んなっ」

「ひゃっ・・・・」






パシッとはねのけられた、私の手。






だけど逢坂くんはなぜか
私の手を払いのけた直後

とても驚いた顔をして私を見上げた。






「え、お前‥‥なんで?」





な、なんで?とは、一体なにが何??

逢坂くんの言葉の意図がさっぱり分からず
こっちが聞きたい。





私が混乱していると
逢坂くんは立ち上がり私の前に立った。



雨の中で濡れる逢坂くんは
しなやかでとても美しくて。




恥ずかしさと困惑で
私はパッとうつむいてメガネをさわった。



メガネを触る手が震えてしまう。



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